襖のある和室は、気持ちを落ち着かせる癒しの空間として人気があります。しかし、「襖が破れたら修理が大変」「状態が悪くなったら襖ごと交換するしかない」という印象を持っている方も多いかもしれません。
しかし、襖に穴が空いたとき、端からはがれたとき、木枠の傷や引き手の汚れが気になったとき、実は状態がひどくなければ簡単な作業で修復できることをご存知でしょうか。本記事では、自宅で簡単にできる襖の修理方法、張り替え方法をご紹介します。
襖の修理方法(1)襖の小さな穴を塞ぐ場合
襖に小さな穴が空いてしまった場合は、自分で修理できるか一度試してみてください。手軽にできる襖の修理方法として、以下の2つの方法があります。
厚紙と糊で補修する
襖紙の破れた部分が残っていれば、厚紙と糊で補修ができます。厚紙自体はどのような色でも構いません。穴よりも大きめのサイズであれば大丈夫なので、自宅にある不要なハガキなどを用いてもよいでしょう。
【手順】
1.襖の穴に厚紙を差し込み、破れた部分が塞がるように位置を調整する
※このとき、厚紙が襖のなかに落ちないよう気を付ける
2.ちょうど良い場所に厚紙を差し込めたら、厚紙に糊を塗って、その上から破れた襖紙を丁寧に貼り付ける
3.貼り付け後はシワができないよう、上から軽く押さえる
4.糊が完全に乾いたら補修完了
この方法はあくまで応急処置であり、完璧に元どおりにするのは難しいかもしれません。しかし、遠くから見たら違和感がない程度には修復できるでしょう。
襖用の補修シールを貼る
襖の補修に時間をかけたくない方、細かい作業が苦手な方は、襖用の補修シールを貼るのがおすすめです。ただし、襖紙とまったく同じ色、材質のシールを見つけるのは難しいため、補修した箇所がやや目立つかもしれません。
襖用の補修シールには、花や星など可愛らしい形のものもあります。「和室の雰囲気を変えてみたい」という方は、工夫して貼ってみてください。
襖の修理方法(2)襖紙の一部がはがれている場合
襖紙の一部が端からはがれてしまった場合は、「襖・障子用の糊」を使って対処します。専用の糊がない場合は、文房具店や100円ショップで販売されている「でんぷん糊」でも補修可能です。
襖・障子用の糊を使う際は、糊が均一になるよう丁寧に塗ります。糊がすぐにはがれる場合は、襖用の両面テープを試してみてください。
なお、応急処置としてセロハンテープやガムテープを上から貼ってしまう方もいますが、襖紙や縁が傷むため避けたほうがよいでしょう。
襖の修理方法(3)襖の木枠に傷が付いている場合
襖の木枠(きわく)に傷が付き、中の木の色が見えている場合は、油性マジックなどで修理可能です。黒や茶色の塗装が入っている木枠であれば、その色に似た油性マジック、油性塗料を塗ります。塗った部分は十分に乾かし、乾いたあとに色移りしないかを確認したほうがよいでしょう。
木枠の損傷がひどい場合は、交換が必要です。自力で交換したい場合は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:
襖枠(襖縁)を交換するには?枠の選び方や、外し方・取り付け方を解説
襖の修理方法(4)戸襖の枠を補修する場合
戸襖(洋室側が板戸、和室側が襖)には、ベラという厚さ2~3mm程度の化粧板が貼られていることが多いです。ベラはホームセンターで比較的安価で購入できます。
ベラを剥がす際は、既存の襖紙、下地のベニヤが剥がれてこないように、慎重に作業を行ないましょう。裏側に両面テープが貼られているので、既存の枠と同じように貼り付けます。
関連記事:
戸襖とは?和襖との構造上の違いや、張り替え時の注意点を解説
襖の修理方法(5)引き手が汚れている場合
引き手の部品は、ホームセンターなどで購入可能です。DIYでの交換も行なえますが、引き手の形状やサイズが合っているか、購入時によく確認しましょう。ボンドで固定されている場合もあるため、襖紙を傷付けないよう気を付けながら作業を行なってください。
引き手の種類、自分で交換する方法については、以下で詳しく説明しています。
関連記事:
襖の引き手を交換する方法とは?引き手の種類と選び方についても紹介
襖の修理方法(6)襖を張り替える場合
「襖に大きな穴が空いている」「日焼けで変色している」「ひどく汚れていて修復が難しい」などの場合は、襖紙を張り替える必要があります。
手間や時間はかかりますが、襖紙を自分で張り替えることも可能です。襖全面を張り替える場合は、新しい襖紙と下張り用の茶チリ紙を用意します。
詳しい手順は、以下のとおりです。
1.襖の左右の枠を、金づちで上から叩いて外す
2.襖の上下の枠を、バールを差し込んで外す
3.引き手の釘をバールで外す
4.古い襖紙・下張り用の古い茶チリ紙を丁寧にはがす
5.襖に新しい茶チリ紙を貼り付ける
6.新しい襖紙をカッターで切り取る
※襖よりも1cm程度大きめに切る
7.襖紙に糊を均一に塗る
8.襖紙を襖本体に置き、中央から外側へとシワにならないように貼り付ける
9.外した枠を元どおりにはめ込む
10.襖紙にカッターで切り込みを入れて、引き手をはめ込む
11.糊が乾くまで十分に乾燥させる
上記の手順では糊を使った方法を説明しましたが、シールで接着できる襖紙、アイロンで糊を溶かして接着する襖紙などもあります。襖の張り替えに慣れていない方は、シールやアイロンタイプが簡単でおすすめです。
襖の修理が難しい場合はプロにおまかせ
襖の破れやはがれ、枠や引き手の劣化をそのまま放置していると、使い続けているうちに状態が悪くなってしまいます。簡単な修理なら自宅でも行なえますが、素人ではやり方を間違えて思ったとおりの仕上がりにならないこともあるでしょう。
自分で修復できないほど破損がひどい場合、骨組みや枠が歪んでいて自力で対処できない場合は、襖の専門業者に依頼するのがおすすめです。プロの手で仕上げてもらえるため、納得のいくきれいな仕上がりになります。
もちろん、業者に依頼する場合には修理費用がかかりますが、自ら張り替えを行なう場合にかかる時間や手間、失敗のリスクを考えれば、業者に依頼したほうが無難かもしれません。
襖の張り替え費用の相場が気になる方は、以下のページを併せてご覧ください。
関連記事:
襖の張り替え費用の目安とは?張り替えの回数・タイミングなどの疑問も解消
まとめ
襖の小さな破れ、少しのはがれなら自分で簡単に対処できますが、状態がひどい場合は張り替え作業が必要です。張り替えとなると時間もかかりますし、作業に慣れないうちは仕上がりが気になるかもしれません。
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